壊れたシリンダーを修正してみよう。

 先々回にNSRのシリンダーにクラックが入って使えなくなった件についてネタにしましたが
このシリンダー何とかならんかなぁって思い、身近ないろいろな人に聞いてみました。
大体の人の答えが新しいのに入れ替えればって答えでして・・・

 苦言になっちゃうんですが、シリンダーが駄目になって、そのシリンダーを交換するって
本人が一番最初に考えることなのですよ。

 大体さぁ、そんな当たり前な答え欲しく無いし、ネタとしてつまらないし
せっかくの素材が勿体ないからこれ、再生して使おうって方法を聞いてるのに
安易にシリンダーを交換って(;´Д`) 

 と言う事で、身の回りのバイク関連の方々は、ほぼ、この答えでした。

 ブログでのネタ記事のレスには、何人かの人が補修の方向で
レス入れてくれてましたので、おそらくこの方々は、安易な交換って方法じゃなくて
他の方法が頭に浮かんでるんだと思います。

 んでもって、アルミ溶接補修の可能性って事に言及して20件のショップにメールを送りまして
その結果が補修できると思います。方法は、って答えてくれたショップが2件

 補修できるけど、新しいのを買った方がいいよって所が1件

 無理です、ウチでは、出来ませんってのが3件

 残りは、無回答って事で、この無回答のレストア、補修、改造ショップは、
技術無しって事で頭の中にインプット。

 きっちりと補修方法まで答えて頂けた2件のショップは、本気で困った時の
相談ショップって事で後々までインプットしておくことにしておきます。

 なんか、酷いこと書いてますが、技術的に信用できるショップってのは、
こういう方法で探し当てるしか無いので、仕方が無いって事で勘弁して下さい。
(R内燃機換さん、T鉄工さん、どうもありがとうございました。)

 って事でショップにお願いするには、少し高額になってしまうので諦めて
色々と方法を教えて頂けましたので、そのアルミ溶接での方法を別の材質での方法に
置き換えて実験してみることにしました。

 まあ、もともと、このシリンダーゴミになってますので、上手くいけば儲けモノ
駄目なら駄目でゴミでいいやって具合で補修に掛かります。

 今回のアルミ溶接での方法ですが、NETで調べてみると何件か出て来まして
クラック箇所を削り混んで、その部分を肉盛りして、新たにタップを立てるって方法で
大体がこの方法で修正してるようです。しかしこれって技術的に難しいのは、
回答してくれたショップが少ないのが物語っています。


イメージ 1

 クラック箇所は、見にくいですが11時、8時、6時のスタッド部分の3箇所。
確認しづらいですが、それほど深いモノでは、ありません。

 自分で溶接するつもりもあったのですが会社の方々にアルミは、難しいからやめれって
通告受けまして・・・いや~(;´Д`) 壊れてるから、別に失敗してもいいんだけど・・・
とは、気の弱い自分は、言えずにアルミ溶接は、完全に駄目になった時に
こっそりやるって事で楽しみに残しておいて、さっさとクラック箇所を削っていきました。

イメージ 2

 こんな感じでルーターでがりがり削っていきます。
溶接できれば、この上から、アルミ盛ればいいのになぁって思いながら
一生懸命、掃除して脱脂して3箇所終わりました。

イメージ 3

実際に削った所、深さは、それほど深くもなく、適度にネジ面と上面から削りこんで
終わらせておきました。

 んでもって、これの補修に何使うかっていいますと↓これ

イメージ 4

 以前、RVFのアルミフレームの補修で使ったGM-8300です。
これ、シリンダーのフィン補修やらポートの補修に使ってる方が若干おられまして
んじゃ、これでアルミの代わりをやってもらおうって事でこの辺、安易なのですが
まあ、頭の中がこの程度って事でご理解下さい。

 んでもって、今回は、ボルトを山を削り混みましたので新規で山を作らないと駄目でして
離型剤も買っておきました。

イメージ 5

 GM-8300と同じメーカーから販売されているN0.10ってやつです。
施工後に一本ボルトに塗ったはずのこの離型剤が効いて無くて
ボルト外すのにえらい時間掛かって泣きながらボルトを外してましたので
GM-8300って金属系パテは、かなり期待が持てたりします。
本気で泣いてましたし(;´Д`) 

イメージ 6

 と、言うことでボルトにNo.10を塗り込んでいきます。
きっちり、脱脂してからしっかり塗らないと、後で大変な事になるので
しっかりドブ付けします。思いっきり1本失敗してしまいましたが・・・

イメージ 7

 そしたら、本命のGM-8300のA液B液を混ぜ込みます。
以前使ってますし、こいつの実用度は、実証済みなのでかなり安心して使ってるのですが
まあ、不安もあったり・・・

イメージ 8

 こんな感じで塗り込んで通常温度乾燥時間6時間おいて、温風乾燥2時間を掛けて
乾燥させました。当然、これは、マニュアルに書いて有るとおりです。

イメージ 9

 乾燥したらヤスリでガリガリと削り混んで、平面にしておきます。
後でおいるストーンなり使って面だしするのですが、適度に削っておかないと
時間が掛かるのでヘッドを削らないように新調に作業しました。
半乾きの時に削り混んでるのでそれほど苦労は、無いのですが、完全乾燥しちゃうと
堅くて大変ですしΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)

イメージ 10

 で修正が終わったヘッドは、こんな感じになりました。
んで、不安点ってのは、このGM-8300の耐熱温度がきっちり220℃でして
NSRのクーランドの温度が60℃から80℃くらいまで上がりますので
その時のシリンダー温度が何度くらいか、実証してないので、かなり怪しいです。
今回は、クーランド液面外側の隔壁でしたので触れないほど温度が上がってこないのが
わかってまして、たぶん、クラックの処理さえ、まともに出来てたら大丈夫だろって
思っておりますが、明日、取り付けてアイドリングさせてみます。

 ちなみに失敗したら、次の一手も考えてあるので、そっちの補修に掛かってみます。
こうやって、弄って遊んでると壊れたシリンダーも結構、仕事してくれますね。