ピストン、シリンダーの確認

 ガレージの方の本体の方は、一旦置いておいて、本日は、外してきたピストン、シリンダーの
確認をしてみました。

 KROG副会長さんは、自宅ガレージに数台のKRを所有しておりまして、この辺は、KROG本部の方に
それらしい話が書いてあるのですがKRを手放すって話があるとトラックで現地に赴き、
丸ごと手に入れてくるってKRに関する熱意は、もの凄いモノがあり,今回のF3車体は、
KROGでレース活動をやろうと画策して独自に組み立てた一台らしいです。

 恐らくKR収集の過程の中でKR250のF3マニュアルと部品を手に入れ組み込まれた車体らしく
今回、ミックさんより事前にお話がありまして、F3メインテナンスマニュアルのコピーを
お借りしておりましたのでそれを読み解きながら確認して見ました。
 
 KR250マニュアルに関しては、ミックさんのブログで詳しく写真入りで解説してありますので
そちらを確認して戴けると助かります。

イメージ 1

 外観は、フロント、リア共にかなり綺麗な状況です。
余りに綺麗なので再塗装かもしれませんが使われるボルト、ナットの類まで若干の
錆が見られますけどかなり綺麗な状況です。

 おそらく、組むに当たって手持ちのパーツの内の状態の良いモノを選択して
加工されたか、依頼されたんじゃないかと思います。


イメージ 2

 ポートは、追加で磨きを入れて見ましたが、元々のものがかなり丁寧に仕上げられていました。
磨く労力が2個で30分位なので手の入れ方がすでに完成されてるってわかって貰えると思います。

 もっとも磨く事にあまり意味は、無いのですけど80年代当時は、なるべく均一に綺麗な面を
出すように丁寧に仕上げるって方向でしたのでそれに合わせています。
鋳造跡がそのまま、燃料の拡散に繋がるってそういう考え方もありますので、それも有りなのですが
マニュアルには、ポートの加工サイズまで出ておりまして、それに準じて削り込みますと
鋳造跡は、消えてしまいますので恐らく仕上げまで加工したんだと思います。
ワザと梨地を作る方法もあるんですが今回は、そのまま前オーナーの方向性に合わせて
進めてみました。

イメージ 3

 クーランドのルートがかなり汚く腐食してないのですが水垢が相当に溜まっていました。
組んでから、時間が経ってるように思われます。
その割りにカーボンの堆積が全くありませんので組んでからの実走もそれほどされてないように
感じられます。

イメージ 4

 フロントバンク側のピストンは、薄い縦傷が若干見られますが、問題になるほどでは、
有りませんでした。
現物を擦り合わせて当たりの調整をしたくらいです。

イメージ 5

 リアバンク側は、若干強めの縦傷と抱きつきの跡が見られました。
もともと、シリンダーに対してのクリアランスがかなり小さくなってましたので
こちらも現物に合わせて調整しておきました。

 ピストンは、両方共にスカート部の面取りをして当たりを弱くしてあります。

タンデムツインは、重量を合わせないと駄目なほどシビアなメカでも無さそうだったので
重量に関しては、無視しています。
ここ辺は、レーサーKR250、350などと違い同爆では無いのでそれも考慮に入れています。
一応、後で計ってみるつもりですがそれほど差は無いんじゃないでしょうか。

 シリンダー側を確認して見るとクロスハッチがほぼ落ちてる状態でしたので
追加で加工しています。


 リアの若干の傷有りピストンですがモノが新規で出て来たら入れ替えを考えてますし
無ければ、問題もそれほど無さそうなのでこのまま再利用するつもりです。

 不足部品に付きまして、何人かの方からお声を掛けて戴きまして、どうも有り難う御座います。
取りあえず、現在は、何とかなりそうな感じが見えてますので大丈夫だと思います。
後々、やべー足りねーよって泣きが入りましたら、だから言っただろって言いながら
助けて貰えるとうれしいです。(;´Д`) 

 この辺、KR250のつながりって凄いなぁって思いますね。
すでに部品も無く過去の資産を食いつぶして言ってる状況、さらには、共食い状態って
言われるような状態で部品ほしいって探してる方々が多そうな状況でも助けて貰えるってのが
KR乗りの繋がりかって驚いています。